古民家の改修のことを言いますが、古民家自体に対する明確な定義は特にありません。1950年より前に建てられた建物を言う場合もあれば伝統構法による建物を古民家と言うケースもあります。
近年、古民家が注目テーマです。大きく、農家民家、商家民家、武家屋敷といった形態があり、地域の気候や文化によって、様々な違いがあります。間取りは地域の産業が色濃く影響していると言われています。そんな古民家ですが、良い面もあれば、懸念点もあり、下記にメリット、デメリットを記載します。
古民家のメリット
・古きよき日本の原風景を思わせる佇まいで街の景観にも貢献している
・夏は涼しく過ごせるよう、先人の知恵がつまっている
・古民家の多くが地震の力を逃がす免震的な構造になっている
・基本、地域材を採用し、地方創生、循環型社会の役割を担っている
・珪藻土や漆喰など自然素材中心で健康に優しい
・古民家リノベーションは価値ある柱、梁、欄間などを活かしながら、現代の性能やデザインとの融合が実現できる 等
古民家の懸念点
・断熱性能は総じて低い(リノベーションにより解決可能)
・耐震性能はファジーな部分があり、会社ごとの考え方によるところがある(今後、法的ルールが定められる可能性あり)
・築年数が古ければ古いほど、高度な耐震改修ノウハウが求められ、リノベーションの難易度が高くなるため、対応できる会社は限られる
メリット、デメリットがある中、リノベーションが大きな役割を担うことは間違いないところです。地域ごとに古民家に対するリスペクトと研鑚を重ねながらリノベーション実績を着実に蓄積する会社も存在します。代々受け継がれてきた古民家をすべて壊すのではなく活かしたいという方はぜひリノベーションをご検討ください。
※写真:筆者撮影(古民家再生現場にて)