断熱本の共有です。表題の書籍からほんの一部を紹介します。
・住宅とエネルギーの関係の喩え=「日本の住宅は穴だらけのバケツ」(バケツに上から水を注がれている、バケツに穴が空いていて下から水が持てだしている→バケツを水でいっぱいにするためには「もっと水を注ぐ」「穴ふさぐ」のどちらを選ぶか→正解は穴をふさぐはずだが日本ではもっと水を注ぐという解答を選び続けている
・日本の2023年現在の省エネ基準に適合している住宅は全体のうち13%だが、この基準(断熱等級49は国際的な基準で見るとまったくすごくありません。
・ヒートショック死は交通事故死の6倍以上(今後は「行ってらっしゃい、気をつけて」でなく「お帰りなさい、気をつけて」と言うべき/近畿大学 岩前教授)
・性能が悪いと、冬は暖気が上にのぼり、足元から冷気が引き込まれて、温度ムラで深いになります
・C値1.0以下は家全体でハガキ2/3のサイズの隙間です(C値0.5はハガキ1/のサイズ)※C値とは気密性能を示し、小さいほど隙間が少ないことを意味している)
・営業担当者に質問するなら「御社の断熱等級およびUA値はいくつでしょうか」「御社の標準仕様のC値はいくつですか」と聞きましょう。
・窓に次に比較的やりやすい断熱は床、特に冬の断熱対策に有効
・日本社会の課題に対してやるべきことは、①賃貸アパートの高性能化 ②中古住宅の断熱リノベーション ③学校などの公共施設の断熱
著書は実際にエコハウスに住んでいて、室温のグラフを公開する等実体験に基づいているので説得力がありました。社会課題や持続可能性という視座も含め、断熱がいかに大切か全編に渡り論じており、断熱を学ぶ上で一読の価値があります。