新築のようにすべて刷新するのもリノベーションの一つのかたちですが、価値あるもの、思い出があるものを残すリノベーションは、リノベーションならではの見逃せない情緒的な価値、プライスレスな価値と言えます。また、活かす部分が多いほど、資材の費用、解体費用など抑えられる可能性もあります。
・梁(はり)や柱を残す
梁や柱には今では見られないような太い原木が使われていることもあります。ずべて壊すのではなく、ダイナミックな梁や柱を活かしたリノベーションは築古戸建住宅ならではの魅力と言えるでしょう。こうした構造材は年月とともに強度が高まると言われており、構造材としても大切な役割を担います(構造的にどこまで活かせるか、どのような演出ができるか、状況に応じて見極めが必要です)。
・土間を残す
築古戸建には趣のある土間があったりします。土間部分は基本燃えにくい素材が使われているため薪ストーブをセットにするケースも多いようです。土間ならではの冷気の問題をどのように解決するかが課題です。
・何か一部を残す
私のクライアント先では欄間(らんま)や細やかな細工のあるガラスといった部分的に残すリノベーションの要望も少なくありません。こうした思い出のあるもの、希少なものを活かしながら、現代の技術やデザインと融合させるのも、新築にはないリノベーションの醍醐味の一つです。
・リノベーションの相談先、依頼先
ゼロの状態から建てる新築と違い、残すリノベーションは手間がかかったり、収まりが難しかったり、様々な既存条件に応じて提案するスキルが必要なため、対応できる会社、対応できない会社があります。残すリノベーションを希望する方は、ぜひ思い入れに対して、寄り添いながら提案してくれる会社、残すリノベーションの実績が豊富な会社にご相談ください。
※写真:筆者撮影