・アズマダチとは
明治や大正時代などに建てられた、砺波平野(富山県)の散居村など古い街並みで受け継がれる古民家です。散居村とは、富山県の西部に位置する砺波平野の主に庄川と小矢部川が形成した扇状地でおよそ220キロ平方メートルの広さに屋敷林に囲まれた約7,000戸を超える家(農家)が点在します。まさに日本の原風景とも言えるエリアです。
散居村は、個々の家が点在しているため、冬の季節風、夏の暑い日差しなどを防ぐため屋敷林が植えられています。その屋敷林の中にある家屋は、江戸時代の砺波地方では「寄棟造」の茅葺き屋根で、平均的には20~30坪の建物でした。明治時代頃から富裕層の農民の中には、大きな切妻屋根に葺き替えて妻側に家の玄関を設けて妻面の束や貫を意匠的に組んでその間を白壁に塗る「アズマダチ」と呼ばれる見事な造形の建物に改築しました。
・となみ散居村ミュージアム
「散居村」を保全するとともに、この地方に伝わる伝統文化や優れた景観を全国に発信し、地域の賑わいを創出するため構想された「となみ野田園空間博物館」の拠点施設(平成18年6月に開館)。
※出典:となみ散居村ミュージアムHP(一部筆者アレンジ)
※写真:筆者撮影(となみ散居村ミュージアム伝統館にて)